弁護士コラム

2013/05

新人と弁護士バッジ

岩佐 理絵

 今年の1月に入所し、気付けば4か月が過ぎようとしています。
不慣れな点も多いですが、先輩弁護士や事務員のみなさんに助けられながら、日々の業務に励んでおります。

  ところで、新人弁護士は、弁護士登録をすると弁護士記章(弁護士バッジ)を日本弁護士連合会(日弁連)から受け取ります。周囲の部分には正義と自由を表す「ひまわり」が、中央部には公平を表す「天秤」がデザインされています。この弁護士バッジは意外と重みがあり(量ってみたところ約7gありました)、バッジの重さとともに、責任の重さをひしひしと感じます。

 ちなみに、「受け取ります」と書いたのは、もらえるわけではないからです。実は、弁護士バッジは日弁連から貸与されるものであり、弁護士登録を抹消するときには弁護士バッジを返還しなければなりません。

 法廷では、金色のバッジをしている弁護士と銀色のバッジをしている弁護士の双方を見る機会があるかと思います。
ドラマなどでも、弁護士バッジが金色だったり、銀色だったりしていますね。
そのため、弁護士バッジには2種類あるのかと思われるかもしれませんが、それは正しくもあり、不正確でもあります。
というのは、この弁護士バッジには、純銀製のものと、18金製(多少高めの価格設定がされています)のものがあり、その意味では2種類あることになります。
しかし、ほとんどの弁護士は純銀製のバッジを使っており、18金製のものを使っている弁護士はあまり多くはありませんので、その意味では、ほとんどの弁護士が使っている弁護士バッジは同じ種類のもの(つまり1種類)ということになります。

 ではなぜ金色と銀色のものがあるのか。
それは、純銀製のバッジの表面は金メッキでコーティングされているため最初は金色をしているのですが、使用しているうちにだんだんとメッキがはがれていきます。そうすると銀の地金がむき出しになりますので、銀色(いぶし銀)のバッジになるということなのです。
いぶし銀のバッジはベテランの証とも言えるので、メッキが早くはがれるようにと、バッジを財布の小銭入れに入れたり、紙やすりで磨く(削る?)弁護士もいるそうです。

ちなみに、銀が酸素に触れると錆びますので、かなりベテランの弁護士のバッジは黒に近い色になるとか…。
ここまで行くとなんのバッジなのかわからなくなりますね。

いぶし銀には、「見た目の華やかさはないが実力や魅力があるもの」という意味があります。
弁護士歴が長くなると、フレッシュさはなくなるかもしれませんが、その分、弁護士としての実力が培われ、魅力が出てくるものだと思います。
私の現在のバッジは金色で、いぶし銀とは程遠いですが、バッジの色の変化とともに実力を培っていけるよう、職務に邁進して参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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