弁護士コラム

2023/9

弁護士バッジの裏話

成瀬 翠

 9月になりましたが、まだまだ暑いですね。

 夜になると涼しい風が吹く日もありますが、今年の夏は各地で猛暑日の過去最多記録を更新したというのもうなずけます。

 そろそろ秋らしい服も着たいのですが、この暑さではジャケットを羽織ったりするには少し早いと感じてしまいます。

 ところで、弁護士と言えば、スーツのジャケットの襟元に、外側に「ひまわり」・中央に「はかり」がデザインされた弁護士バッジ(弁護士記章)を身に着けた姿をイメージされる方が多いのではないでしょうか。

 この弁護士バッジはネジ式のものが基本仕様であるところ、女性の服の襟元には、スーツであってもネジ式のバッジを着けるためのフラワーホールが空いていないものも多いですよね。
そのため、希望者は、裏側に針が付いているタイタック式や、安全ピンのようなブローチ式に改造してもらうことができます。

 私は、弁護士登録の際に弁護士バッジをタイタック式に改造してもらうよう申し出たのですが、ネジ式のものより受け取りまで時間がかかるため、弁護士となってからしばらくはバッジを持っていませんでした。
そのため、弁護士となって間もない頃に撮影した弁護士紹介用の写真は、自分の弁護士バッジではなく、当時の事務所の同期の男性弁護士に貸してもらったネジ式のバッジを着用して撮影したという思い出があります(その時着用していたジャケットには、フラワーホールが空いていたので事なきを得ました。)。
また、裁判所等で弁護士の身分証を提示する必要がある時には、弁護士バッジの代わりにカードの身分証明書を見せることになりました。

 そんなこんなで、改造されたタイタック式の弁護士バッジがようやく手元に届いた頃には、カードの身分証明書を提示することがすっかり習慣化していたため、バッジを身に着ける機会はなくなってしまいました。
今となっては、このコラムの上部に掲載されている弁護士紹介用の写真を撮影した時が、バッジを身に着ける唯一の機会となっています……。

 ところで、今年の12月以降に交付される弁護士バッジは、なんとネジ式ではなくタイタック式が基本仕様となるとのことです。
針も従前のタイタック式より短く太いものになるそうなので、服装を問わず身に着けやすくなりそうですね。
過去の私のように、他人のバッジで写真を撮影しなければならない新人弁護士はもういなくなるかも知れません。

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