弁護士コラム

2013/07

32年目の奇跡

阿部 泰典

 32年目の奇跡
毎度、野球の話で恐縮ですが(汗)、昨年より私が横浜弁護士会野球部の監督に就任したことは、このコラムでも書かせていただきました。

  実は、私が監督に就任した昨年、横浜チームとしては快挙を成し遂げることができました。

  弁護士会は全国で52の単位会があります。すべての弁護士会に野球部がある訳ではありませんが、昨年の段階では、全国で30の弁護士会に野球部がありました。

  毎年1回、日弁連野球全国大会というのがあり、全国を4ブロックに分けて予選を行い、各ブロック2チームずつ、つまり全国で8チームだけが決勝大会に出られるという大会があります。

  決勝大会は、参加する弁護士会が持ち回りで開催するため、全国各地のドーム球場であったりすることもあるのですが、昨年は宮崎県での開催で、清武球場という野球場でした。

  日弁連野球全国大会は昨年で32回目を迎えたので、32年の歴史があります。
10年くらい前まで、横浜の予選の相手は隣県の東京チームでした。東京には、東京弁護士会、第一東京弁護士会、第二東京弁護士会と三つの弁護士会があるのですが、野球チームは一つしかありません。そのため、1万人近い弁護士の中から野球自慢の選手が集まっているので、その強さは抜きん出ておりました。当時、横浜弁護士会は千人に満たない会でしたので、野球部といっても、学生時代の野球経験者は数少ないものでした。そんな訳ですので、東京と予選をやっても勝てる訳がありません。

  しかし、横浜もそこそこ強くなってきた頃、横浜ばかりが東京と予選ではかわいそうではないかということになり、横浜は東京とは違うブロックに入るようになり、その後は、何度か決勝大会に進出できるようになりました。

  決勝大会で何度か東京と当りましたが、やはり東京には勝てませんでした。東京チームには、あの「行列のできる法律相談所」の北村晴男弁護士が選手、後に監督として所属しておりました。その頃、東京は10連覇を果たしました。

  私が監督に就任した昨年、横浜チームは決勝大会の1回戦で東京と対戦することになったのですが、何と東京に勝ってしまったのでした。32回大会にして初めて東京に勝ったのです。我がチームの先発の10年来のエース(畑中隆爾弁護士)と抑えの新人投手(元嶋亮弁護士)が好投してくれたおかげでした。試合後の我がチームは歓喜で包まれました。

  講評に来ていただいていた元阪神タイガース・オリックスブルーウェーブの野田浩司さんからは、懇親会の席で、横浜の監督さんは絶妙な投手交代だったと褒めていただきました。単に先発の畑中投手が「もう無理」と言ったので、交代させただけなのですが(笑)。

  翌日の準決勝は大阪弁護士会との対戦でした。東京に勝った勢いで大阪にも勝てるかと思ったのですが、残念ながら、現在、日弁連で一番の投手と言ってもよい岡村英祐投手に抑えられ、勝つことはできませんでした。大阪はそのまま決勝戦にも勝利し、二連覇を果たしました。

  今年の予選はこれからで、横浜は埼玉弁護士会と対戦することになっています。予選に勝つことができれば、今年は決勝大会が広島のマツダスタジアムで行われます。横浜弁護士会としては、初の全国単独優勝を目指して、選手たち(全員、弁護士です)は日夜、素振り、バッティングセンター、走り込み、イメトレなどに精進しております。

追記
平成25年7月27日、関越大会(東京、横浜、埼玉、群馬、新潟の対抗戦)の決勝戦で東京を破り、横浜が関越大会に参加するようになってからおそらく17回ほどですが、初めての単独優勝を果たしました。こちらは17年目の奇跡です。

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