弁護士コラム

2023/12

万が一に備えて、良いお年を

福下 博詞

年の瀬となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
年末年始を実家で過ごすために、自動車を運転されている方も多いかもしれません。

私たちが日々の生活で自動車を利用する中で、事故やトラブルに遭遇する可能性はゼロではありません。
安心してカーライフを楽しむためには、法律で加入を義務付けられている自賠責保険だけでなく、任意保険にも入っておくのがお勧めです。

もし自己の不注意で交通事故を起こし、相手の車を損傷させてしまったり、相手に怪我を負わせてしまった場合、損賠賠償金を支払わなければなりませんよね。
このとき、自賠責保険によって補償される範囲をご存知でしょうか?

自賠責保険は自動車の運行で他人を死傷させた場合の人身事故による損害について支払われる保険で、物損事故は対象になりません。
つまり、相手の怪我や死亡に対する補償のみが対象となり、車の修理費用に対してはまったく補償がありません。
もし事故の相手の車が高級車で、修理費用が何百万円もするとしたら、どうでしょうか…。

また、自賠責保険では、下記のとおり補償額の限度があります。
死亡による損害:最高3000万円
後遺障害による損害:最高4000万円
傷害による損害:最高120万円

万が一、相手を死亡させてしまったり、相手に後遺障害が残ってしまった場合には、億単位の損害賠償義務を負う可能性もあります。
しかし、自賠責によって補償される上記金額では全く足りず、どうしようもなくなってしまいますよね。せっかく節約して貯めた貯金も全て無くなってしまい、人生の計画も大きく狂ってしまうのではないでしょうか。

任意保険はこの不足を補い、より広範な補償をつけることが可能となります。

事故やトラブルによって生じた損害は予測できませんが、その際に安心して対応できるよう、任意保険の加入は非常に有益です。
保険のプランや条件はさまざまですが、ご自身のライフスタイルや予算に合わせたプランを検討することが可能です。
しっかりとした保障を備え、安心・安全なカーライフを守るために、是非ともご検討いただければと思います。

最後になりましたが、本年もたくさんのご縁と機会に恵まれたことに深く感謝しております。
新年が皆様にとって輝かしいものであり、喜びに満ちた一年となりますよう心より願っております。

どうぞ良いお年をお迎えください。

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